第4次・第6次 南極越冬隊長

1918年(大正7年)~2008年(平成20年)

 鳥居鉄也は大正7年(1918)5月14日、台湾南部の高雄市山下町で父信平、母まさの長男として生まれる。地球学者で、日本における南極調査・研究の第一人者。地球科学、理学博士。日本極地振興研究会理事長、千葉工業大学教授などを歴任する。昭和32年(1957)、鉄也は第1次南極観測隊に参加する。この時の越冬隊には映画「南極物語」のタロ、ジロで有名になった22頭のカラフト犬も同行した。しかし翌年、第2次越冬隊との交代の時、天候の悪化のため昭和基地に近づけず第1次隊員のみ雪上機で撤退した。そのため、犬たちは南極に置き去りにされてしまい、観測隊は世界中から激しい非難を浴びることとなった。

それから1年、昭和基地に向かった第3次隊のヘリが雪上に2つの犬の影を見た。タロとジロの奇跡の生還は日本中に衝撃と感動をもたらした。第4次越冬隊長であった鉄也もこのカラフト犬たちと過ごしている。帰国後、山名小学校や周南中学校で南極の講演会を開催し、袋井の子どもたちに南極の魅力を教えてくれた。昭和38年(1963)、千葉工業大学教授に着任。千葉工業大学芝園キャンパスにある図書館には鉄也が南極観測を行った時に集めた貴重な鉱物や装備などの品が展示されている。平成20年(2008)10月16日、心不全のため死去。享年90歳。

【参考・引用文献】鳥居鉄也2007『南極とともに』

【協力】国立極地研究所